プチ・フロと丸太の旅

ゴヤールによるクリスマスの物語

昔々あるところに、プチ・フロという名前の愛らしいバケットバッグがいました。

真っ赤なゴヤールディンキャンバスを身に纏ったそのプチ・フロという名前の愛らしいバケットバッグは、モルヴァンの森にあるクラムシーというゴヤール家が誕生した町で平和に暮らしていました。

平和な暮らしは平和すぎたのでしょう。プチ・フロという名前の愛らしいバケットバッグは光の都パリに憧れ、特にサントノーレ通りにあるゴヤールブティックのウィンドウディスプレイを夢見ていました。

プチ・フロという名前の愛らしいバケットバッグはせっかく真っ赤なゴヤールディンキャンバスを身に纏っているので、シックの都でみんなに見てもらいたいと考えていました。

プチ・フロという名前の愛らしいバケットバッグは可愛らしいだけでなくとても賢かったので、巧妙なプランを考えました。それはクラムシーから川を使ってパリに運ばれる丸太の一つに飛び乗ることでした。

モルヴァンの森から川を使ってパリまで薪を運ぶ長く骨のおれる旅。しかしプチ・フロという名前の愛らしいバケットバッグは耐水性のあるゴヤールディンキャンバスのおかげで準備万端だったのです。

パリに到着すると、プチ・フロという名前の愛らしいバケットバッグはすぐにサントノーレ通り233に向かいました。ゴヤールのウィンドウには、虹のようなゴヤールディンキャンバスのすべてのカラーを身にまとった沢山のプチ・フロという名前の愛らしいバケットバッグたちがいました。

プチ・フロという名前の愛らしいバケットバッグはついに自分の家と呼べる場所にたどり着くことができたのです。

新しい家族に囲まれて、プチ・フロという名前の愛らしいバケットバッグは、ゴヤールウィンドウの中でいつまでも幸せに暮らしました。

 

2022-12-21