家族の気分

03-01-2013

1853年の創立以来、メゾン・ゴヤールは決定するのがとても難しい、とある事柄について 何度も頭を悩ませてきました。それは新しい製品にどんな名前を付けるかということです。

複数の候補のなかから名前を選ぶ時には大変迷うこともあります。ゴヤールの製品の名前はどれにも深い意味があり、ゴヤールのエスプリを象徴するものだからです。ゴヤールの歴史やエピソードをさりげなく彷彿させたり、製品への想いを込めたり、ゴヤールの製品の名前はけっして偶然に選ばれたものではありません。製品の名前はメゾンのアイディンティーを表現し、ゴヤールの想像的世界をその歴史よりも美しく、言外の意味も込めてさりげなく表しています。

ゴヤールの製品の名前には情緒ある地名に由来するものが多く、ゴヤールの歴史の源である地方や、パリ、そして旅情を誘う地名が選ばれています。例えば、筆記具”クラムシー(Clamecy)”はゴヤール家の出身地であるモルヴァン地方の村の名前、”べルシャッス(Bellechasse)”はパリの7区にある通りの名前です。”べルシャッス(Bellechasse)”は元々はその通りに住んでいたワイン愛好家のために造られた、ワイン持ち運び用のバッグでした。 “フィジー(Fidji)”と“サン・マルタン(Saint-Martin)”は遠い南の島の旅へと誘う名前です。

旅行用トランクを強化するための伝統的な素材であるブナの木とトランク用の釘が使われている“マルキーズ (Marquises)”はゴヤールの歴史にしっくりと溶け込んでいる製品で、その伝統的な職人芸と装飾の技に敬意を表するものです。“サン・ルイ(Saint Louis)”の魂の息子とも言うべきこのバッグはゴヤールの製品の地名にちなんだ名前でもちょっと風変わりだと言えましょう。この2つのバッグの名前はパリのセーヌ河に浮かぶ“サン・ルイ(Saint Louis)”島、そしてゴーギャンとブレルが愛した南太平洋に浮かぶ島“マルキーズ (Marquises)”に由来しています。

“サン・ルイ”とのつながりを大切にしながらも、はその違いと独自のデザインが際立っている”マルキーズ”。 “サン・ルイ”のトレードマークともいうべきトートバッグのソフトなフォルムが、”マルキーズ”ではシンプルなラインのしっかりした構造のフォルムになっており、クラシックで、かつ現代的なアクセントがきいたデザインに仕上がっています。“サン・ルイ”と”マルキーズ”に家族のように似ているところがあるとすれば、それは時代にとらわれないエレガントなデザインと、この2つのバッグのファスナーに代表される素晴らしい実用性でしょう。しかし、”マルキーズ”は”サン・ルイ”の単なるヴァリエーションでもなければ品格ある製品シリーズに新しく登場した末っ子的存在でもありません。”マルキーズ”は、ゴヤールの気品ある世界に確固たる地位を獲得した、オリジナルで斬新なバッグです。

03-01-2013
 

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